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4.情報内容の絶対的なニーズ(必要性)
1)「規制情報」は、管理上の必然性に基づいて提供するメッセージだから、ここでの検討から除外する。
2)「説明情報」は、鉄道駅の基本的な利用目的に基づいて提供するメッセージだから、ニーズとしてある内容はほぼ明白である。
3)「位置情報」は、各施設の名称だから、ニーズとしてある内容は明白である。
4)以下では、移動時に求められる「案内情報」と「誘導情報」のメッセージで、コードとして用いられる施設名称の表現範囲のニーズについて考察する。
5)図7は、利用者が期待する情報内容と、提供することが必要な情報内容、即ちニーズ(必要性)を比較したものである。
「〜の位置あるいは方向」は「案内情報」あるいは「誘導情報」として表現されることを想定している。
6)「構内の施設」について、個々の利用者はそれぞれ持っている知識や記憶、憶測に基づいて、それぞれの必要性から、「改札口」も「トイレ」も「売店」も区別なく各施設の位置や方向を探すことになるが、その基準は千差万別である。つまり利用者側の要望度合いの基準を拠りどころにして、ニーズを判断することはできない。
7)「構内の施設」情報のニーズは、「全ての、構内にある利用目的の施設の位置あるいは方向」と考える必要がある。
このように捉えてはじめて、個人差を排除した絶対的な選択基準とすることができる。
このニーズの表現は、「案内情報」において可能である。
構内に実体としてある施設が、予め全体像として示されることによって、利用者は疑問の余地なく、その方向を辿ることができる。
このニーズの「誘導情報」への表現は、量的にも性能上も、全てを行うのは不可能で、プライオリティを設定するなど別な選択基準に基づく絞り込みが必要になる。
8)「街中の諸施設」について、個々の利用者の最終目的施設は千差万別で、いわば街中に無数に分散している。
これら全てを表現することは不可能である。
9)「街中の諸施設」情報のニーズは、不特定多数に共通する絶対的な基準から、「不特定多数の方向感覚回復に機能する座標軸」及び「不特定多数が移動の目標にできる施設等の位置あるいは方向」と考える必要がある。
このニーズの表現は、「案内情報」において可能である。「座標軸」と「目標」が示されることによって、多くの利用者がその方向を辿ることができる。
このニーズの「誘導情報」への表現は、適切な選択基準を設けて情報量を絞り込むことで可能になる。

 

 

 

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